汎関数GGA, HSEおよびGW近似の3種類の方法で、バンドギャップをExabyte.ioで計算を行い、実験値と比較した実例を紹介します。この実例はExabyte社によって作成されています。

対象とする材料全70種類を表1に示します。

表1 計算対象物質一覧(全70種類) 

これらの材料に対して、GGA, HSE, G0W0で計算を行い実験値と相関を取った図を示します。

図1 計算結果と実験値の相関図(青:GGA、緑:HSE、赤G0W0)

図1から実験値との相関の高い順番は、G0W0>HSE>GGAとなり、G0W0で行なう計算がより実験値に近い結果になっています。計算時間は、G0W0>HSE>GGAの順でG0W0は、計算コストがかかりますが、潤沢に存在するクラウド計算機を使用することで、安価かつ迅速に計算することができます。

全70種類、3種類の手法で計算にかかった時間は、2週間になります。

次に、材料の数を増やした900種類のバンドギャップの計算を行い、図2にプロット結果を示します。

表2 計算対象物質一覧(全900種類)

図2 計算結果と実験値の相関図(青:GGA、緑:HSE)

この全900種類、2種類の手法で計算にかかった時間は、4週間になります。

このような多くのモデルを短時間で計算できるのも、潤沢に存在するクラウド計算機ならではです。
計算の順番待ちもなく、必要なときに必要なだけ計算することで、効率よく研究を行なうことができます。

詳細を記したExabyte社の論文はこちらで公開されています。[PDF]新しいウィンドウで開く