熱可塑性樹脂で知られるPA6は、分子動力学シミュレーションでよく解析材料になっています。そこで、クラウドGPUで計算した場合にかかる計算時間およびコストについて紹介します。
図1 PA6の化学構造式
シミュレーションに用いたPA6の重合度nおよび、分子数、原子数を下記に示します。
表1 シミュレーションに用いたPA6の重合度nおよび、分子数、原子数
図2 シミュレーションのBOXにPA6が配置された状態
シミュレーションに用いたソフトおよび計算条件について示します。
表2 計算条件
使用したクラウドマシンの詳細について示します。
表3 使用GPU情報
各GPU数を変えた場合での、シミュレーションにかかった時間を示します。
図3 各GPU数を変えた場合でのシミュレーション時間
GPU数を増やすにつれて、計算時間が減少しています。上昇率はリニアには伸びていません。
次に、計算コストと比較を行なっていきます。
表4 計算コスト
※ 計算コストは、Enterprise-Extraプランでセービングノードを使用した場合の価格です。
2GPUの場合、GPUの枚数増加による速度上昇率と計算コストの比率を比較すると速度上昇率の方が高いため、お徳な結果になっています。コストを抑えて計算したい場合は、1GPUの時が最も良い結果になっています。
本ベンチマークから、100万原子のモデルでのMD計算も可能な環境になってきていると言えます。