有機ELなどの研究で用いる有機結晶モデルの作成方法について紹介します。現在(2020年4月)のExabyte.ioだけでは、有機結晶モデルは作成するのは困難ですが、弊社で作成したMI-nanosysを併用することで作成可能です。MI-nanosysはExabyte.ioのアカウントで使え、さらに無料で使用することができます。
ここでは、チオフェンの有機結晶を作成する方法を紹介します。
下記の手順で行います。
1. PubChemからチオフェン分子を取得
2. チオフェン分子のポリマー化
3. Exabyte.ioに分子データを転送
4. Exabyte.io上で結晶モデル作成
1.PubChemからチオフェン分子を取得
MI-nanosysを通して、PubChemからチオフェン分子を取得します。
図1 PubChemからチオフェン分子を取得
2.チオフェン分子のポリマー化
2つのチオフェン分子を繋ぎ、S原子が上下になるようにすることも可能です。その場合は、もう1つチオフェン分子を追加するか、チオフェン分子をコピーして作成することができます。
図2 チオフェン分子のポリマー化
3.Exabyte.ioに分子データを転送
Exabyte.ioで計算を行うために、作成した分子をExabyte.ioに転送します。
図3 Exabyte.ioに分子データを転送
4.Exabyte.io上で結晶モデル作成
Exabyte.io上に転送された分子は、真空領域を含む形になっています。
図4 結晶モデルの作成①
次に、Exbayte.io上で、セルの大きさ、周期境界の編集を行います。
図5 結晶モデルの作成②(セルの大きさ、周期境界の編集)
下記のように周期境界を適応したポリマー化したチオフェンの結晶構造を作成することができます。
図5 結晶モデルの作成③(チオフェンの結晶構造)