Ptのスラブ表面にCO分子が吸着する際の吸着エネルギーを第一原理計算から求めます。
まずPt111スラブとCOを合わせたモデルの作成仕方を説明します。PtスラブとCOを選択した後、Multi-Material 3D Editorを使用することで作成することができます。

図1 Pt111スラブ表面にCOを配置する様子
表1 計算条件
項目 | 詳細 |
---|---|
計算ソフト | Quantum ESPRESSO |
擬ポテンシャル | Pt_pbe_gbrv_1.4.upf C_pbe_gbrv_1.2.upf O_pbe_gbrv_1.2.upf |
カットオフ 波動関数 | 40 Ry |
カットオフ 電子密度 | 200 Ry |
k点 | 3 × 3 × 1 |
収束閾値 | 10-6 |
mixingパラメータ | 0.3 |
原子数 | 66原子 Pt:64 C:1、O:1 |
CPU | Intel® Xeon® CPU E5-2666 v3 @ 2.90GHz |
コア数 | 36 core |
図2 Pt111表面にCOがTopサイトに吸着した最適化構造
構造最適化にかかった時間および金額を示します。精度が良くなるように収束閾値やmixingパラメータを設定したため計算時間はやや長くなりましたが、クラウド対応のためリソースを気にする必要がほとんどありません。
表2 計算時間および計算コスト
項目 | 値 |
---|---|
計算時間 | 3days 3h 59 m 41 s(273,581 sec) |
計算コスト | $54.72 |
※ 計算コストは、Enterprise-Extraプランでセービングノードを使用した場合の価格です。
吸着エネルギーを求めたところ、1.69 eVになりました。実験からは1.43~1.71 eVと報告されている[1]-[3]ことから、範囲内に入った値となっております。よって、第一原理計算を用いて吸着エネルギーを算出することも可能になっています。
参考文献
[1] G. Ertl et al., Surf. Sci. 64, 393 (1977)
[2] H. Steining et al., Surf. Sci. 123, 264 (1982)
[3] Y.Y. Yeo et al., J. Chem. Phys. 106, 392 (1996)